レベル:入門|記載の情報は2026年10月12日時点のものです。
2026年分の暗号資産の利益は、原則として「雑所得」になり、給与などほかの所得と合算して税額を計算します。これを総合課税と呼びます。税率は所得が多いほど高くなり、住民税と合わせて最大で約55%です。この記事では、2026年10月時点のルールを説明します。
申告分離課税(一律約20%)は、法律は成立していますが、まだ始まっていません。2026年分には適用されません。いつから変わるかは暗号資産の申告分離課税はいつからにまとめています。
税金がかかる4つのタイミング
暗号資産は、買って持っているだけでは税金がかかりません。次のときに、利益が計算されます。
| タイミング | 例 |
|---|---|
| 売って日本円にしたとき | 100万円で買ったビットコインを150万円で売った |
| ほかの暗号資産と交換したとき | ビットコインでイーサリアムを買った |
| 商品やサービスの支払いに使ったとき | ビットコインで買い物をした |
| 報酬として受け取ったとき | ステーキングや貸し出しの報酬を受け取った |
見落としやすいのは2つ目です。暗号資産どうしの交換は、「持っていた暗号資産をいったん時価で売り、その代金で別の暗号資産を買った」ものとして扱われます。日本円に替えていなくても、利益が出ていれば課税されます。
利益の計算方法
基本の式は次のとおりです。
所得 = 売った金額 − 買ったときの金額(取得価額)− 手数料など
何度かに分けて買った場合は、1単位あたりの取得価額を計算する必要があります。計算方法は「総平均法」と「移動平均法」の2つがあり、届出をしていない個人は総平均法を使います。
総平均法は、1年間に買った合計金額を、買った合計数量で割る方法です。例で見てみます。
- 1月に、0.1BTCを100万円で買った
- 6月に、0.1BTCを140万円で買った
- 11月に、0.1BTCを160万円で売った
1年間に買ったのは合計0.2BTC、240万円です。1BTCあたりの取得価額は、240万円 ÷ 0.2 = 1,200万円になります。売った0.1BTCの取得価額は120万円なので、所得は 160万円 − 120万円 = 40万円です(手数料は省略)。
業者が発行する「年間取引報告書」と、国税庁が配布している計算書(総平均法用)を使うと、この計算ができます。
税率
雑所得は、給与所得などと合算した「課税所得」に、次の税率をかけて所得税を計算します。
| 課税所得 | 所得税の税率 |
|---|---|
| 195万円以下 | 5% |
| 195万円超 330万円以下 | 10% |
| 330万円超 695万円以下 | 20% |
| 695万円超 900万円以下 | 23% |
| 900万円超 1,800万円以下 | 33% |
| 1,800万円超 4,000万円以下 | 40% |
| 4,000万円超 | 45% |
このほかに、所得税額の2.1%にあたる復興特別所得税と、住民税(所得の約10%)がかかります。最も高い区分では、合わせて約55%になります。
税率は、暗号資産の利益だけで決まるのではありません。給与などと合算した金額で決まります。同じ50万円の利益でも、もともとの所得が多い人ほど、かかる税金は多くなります。
確定申告が必要な人

- 会社員など、給与を1か所から受け取り、年末調整を受けている人:給与以外の所得の合計が年20万円を超えると、確定申告が必要です
- 個人事業主など、もともと確定申告をしている人:金額にかかわらず、暗号資産の所得も含めて申告します
- 扶養に入っている人:合計所得金額が一定額(2026年分は62万円)を超えると、扶養から外れます。暗号資産の利益もこの金額に含まれます
20万円以下で所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告は必要です。また、医療費控除などで確定申告をする場合は、20万円以下の所得も含めて申告します。
2026年分の確定申告の期間は、原則として2027年2月16日から3月15日までです。
損失が出たとき
現行のルールでは、暗号資産の損失の扱いは厳しくなっています。
- 給与所得など、ほかの区分の所得から差し引くことはできません
- 翌年以降に繰り越すことはできません
- 同じ年の、ほかの雑所得の利益とは相殺できます
たとえば、2026年に100万円の損失を出し、2027年に100万円の利益を出した場合、2026年の損失は2027年の利益から差し引けません。2027年の100万円にそのまま税金がかかります。
納税で困らないための3つの習慣
- 年間取引報告書を毎年保存する:業者のサイトからダウンロードできます。複数の業者を使っている場合は、すべての業者の分が必要です
- 利益が出た年は、納税のお金を日本円で取り分けておく:税金は翌年に払います。それまでに価格が下がっても、税額は減りません
- 交換や送金の記録も残す:暗号資産どうしの交換、業者のあいだの送金は、あとから追いにくい取引です
取引の回数や業者の数が多い場合は、損益計算のサービスや税理士の利用も選択肢になります。
よくある質問
含み益にも税金はかかりますか
かかりません。値上がりしていても、売る、交換する、使うといった取引をしていなければ、個人の場合は課税されません。
少額でも申告は必要ですか
会社員で、給与以外の所得の合計が20万円以下なら、所得税の確定申告は不要になる場合があります。ただし、住民税の申告は必要です。お住まいの市区町村に確かめてください。
海外の取引所での取引も申告が必要ですか
必要です。日本に住んでいる人は、取引した場所にかかわらず、利益を申告する義務があります。
この記事は、制度の概要を説明するものです。税額は、ほかの所得や控除によって変わります。実際の申告については、税務署または税理士に確かめてください。
まとめ
- 2026年分の暗号資産の利益は、原則として雑所得で総合課税
- 売却だけでなく、暗号資産どうしの交換でも利益が計算される
- 損失は給与などと相殺できず、翌年にも繰り越せない
- 年間取引報告書を保存し、利益が出た年は納税資金を取り分けておく
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出典
暗号資産は法定通貨ではなく、価格の変動により損失が生じることがあります。本記事は情報の提供を目的としており、特定の暗号資産の購入や取引の勧誘を目的とするものではありません。取引の判断は、ご自身の責任で行ってください。
