レベル:入門|記載の情報は2026年10月12日時点のものです。
SNSをきっかけにした投資詐欺の被害が増えています。警察庁によると、2025年のSNS型投資詐欺とSNS型ロマンス詐欺の被害額は、合わせて約1,834億円でした。送金の手段として暗号資産が使われることも多く、暗号資産を始める人がまず知っておくべきリスクです。
数字で見る被害
| 種類 | 認知件数 | 被害額 | 1件あたりの平均 |
|---|---|---|---|
| SNS型投資詐欺 | 9,523件 | 1,288.0億円 | 約1,350万円 |
| SNS型ロマンス詐欺 | 5,645件 | 546.4億円 | 約970万円 |
2025年の確定値です(警察庁、2026年5月公表)。1件あたりの平均は、被害額を認知件数で割って当サイトで計算しました。暗号資産以外の方法で送金した被害も含みます。
1件あたりの金額が大きいのが特徴です。少額から始めさせ、信用させたうえで、金額を増やしていく手口だからです。
典型的な流れ
手口は細かく変わりますが、流れはほぼ共通しています。
- 接触する:SNSの広告、突然のメッセージ、マッチングアプリなどで知り合う。著名人や投資家の名前をかたる広告も使われる
- 別の場所へ誘う:メッセージアプリのグループや、1対1のやりとりに移る。「先生」「アシスタント」と名乗る人物や、利益を報告する「仲間」が登場する
- アプリやサイトを指定する:聞いたことのない取引アプリやサイトへの登録を求められる
- 少額で利益を見せる:最初は少額を入金させる。画面上では利益が出て、少額の出金にも応じることがある
- 金額を増やさせる:「今がチャンス」「特別な枠がある」などと言い、追加の入金や、暗号資産での送金を求める
- 出金させない:引き出そうとすると、「手数料」「税金」「保証金」の名目で、さらに入金を求められる
- 連絡が取れなくなる:サイトが閉じられ、相手と連絡が取れなくなる
画面に表示される利益は、相手が自由に書き換えられる数字です。実際には、入金した時点でお金は相手の手に渡っています。
送る前に確かめる5つの項目

ひとつでも当てはまれば、送金を止めてください。
| 確かめること | 理由 |
|---|---|
| 業者の名前と登録番号が、金融庁の一覧にあるか | 日本で暗号資産の売買を仲立ちできるのは登録業者だけ |
| 利益や元本を約束していないか | 値動きのある資産に保証はない。登録業者はこうした表現を使えない |
| SNSやアプリで知り合った、会ったことのない相手の話か | 被害の典型的な入口 |
| 出金のために、先に入金を求められていないか | 正規の業者は、出金の条件として追加の入金を求めない |
| 個人の口座や、指定されたアドレスへの送金を求められていないか | 送った暗号資産は、取り消すことができない |
登録の確かめ方は金融庁の登録業者とはで説明しています。
なぜ暗号資産が使われるのか
詐欺の送金に暗号資産が使われるのには、理由があります。
- 取り消せない:送金が完了すると、銀行振込のように止めたり、戻したりすることができません
- 国境を越える:相手が海外にいても、すぐに届きます
- 追いにくい:受け取った側は、短時間でほかのアドレスへ移すことができます
被害者に登録業者で口座を開かせ、そこで買った暗号資産を、指定のアドレスへ送らせる手口もあります。登録業者を使っていても、送り先が詐欺の相手であれば、被害は防げません。「だれに送るのか」を確かめることが大切です。
見分けにくい3つのパターン
著名人の名前や写真を使った広告
実在の経済評論家や実業家の名前をかたる広告があります。本人とは関係がありません。SNSの広告から投資のグループに誘導された時点で、疑ってください。
長い時間をかけて信頼させる
数週間から数か月にわたって、日常の会話を続けたあとに投資の話が出てくることがあります。恋愛感情や友情を利用するのがロマンス詐欺です。会ったことのない相手からお金の話が出たら、関係の長さにかかわらず立ち止まってください。
少額の出金に応じる
最初の数万円を実際に出金させて信用させ、そのあとで大きな金額を入金させる手口があります。「一度引き出せたから大丈夫」とは言えません。
被害に気づいたら

- これ以上、送金しない:「手数料を払えば引き出せる」と言われても、払わないでください
- 証拠を残す:やりとりの画面、相手のアカウント、送金先のアドレスや口座、送金の記録を保存します
- 警察に相談する:最寄りの警察署、または警察相談専用電話に連絡します
- 利用した業者や金融機関に連絡する:登録業者や銀行を通じて送金した場合は、すぐに知らせます
| 相談先 | 電話番号 | 内容 |
|---|---|---|
| 警察相談専用電話 | #9110 | 被害にあった、またはあったかもしれないとき。緊急のときは110番 |
| 消費者ホットライン | 188 | 近くの消費生活センターにつながる |
| 金融庁 金融サービス利用者相談室 | 0570-016811 | 業者の登録や、取引のトラブルについて |
被害にあった人を狙う「二次被害」にも注意してください。「被害金を取り戻す」とうたう業者や、弁護士や公的機関を名乗る連絡に、着手金や手数料を払って、さらに被害にあう例があります。相談は、上の公的な窓口から始めてください。
よくある質問
自分はだまされないと思うのですが
被害者には、投資の経験がある人や、慎重な性格の人も多く含まれます。手口は、少額の利益や出金で信用させるように作られています。「自分は大丈夫」と考えるより、「この5項目に当てはまったら止める」というルールを決めておくほうが確実です。
家族が怪しい投資をしているようです
頭ごなしに否定すると、かえって隠すようになることがあります。金融庁の登録一覧をいっしょに確かめる、消費生活センターにいっしょに電話する、といった方法が有効です。
送ってしまった暗号資産は取り戻せますか
取り戻すのは難しいのが実情です。それでも、早く相談するほど、口座の凍結などの対応が間に合う可能性は上がります。気づいた時点で、すぐに警察に相談してください。
まとめ
- 2025年のSNS型投資詐欺とロマンス詐欺の被害額は約1,834億円
- 流れは、接触、別の場所への誘導、少額の利益、増額、出金の拒否
- 送る前に、登録、約束の有無、相手、先払いの要求、送り先の5項目を確かめる
- 気づいたら送金を止め、証拠を残し、警察に相談する
自分のアカウントを守る方法は二段階認証とパスワードの管理にまとめています。
あわせて読みたい
出典
暗号資産は法定通貨ではなく、価格の変動により損失が生じることがあります。本記事は情報の提供を目的としており、特定の暗号資産の購入や取引の勧誘を目的とするものではありません。取引の判断は、ご自身の責任で行ってください。
