レベル:入門|記載の情報は2026年10月12日時点のものです。
二段階認証とは、パスワードに加えて、もうひとつ別の方法で本人を確かめるしくみです。スマートフォンのアプリに表示される数字を入力する方法がよく使われます。パスワードが漏れても、それだけではログインや出金ができなくなります。暗号資産の口座を開いたら、入金より先に設定してください。
なぜ必要なのか
暗号資産は、送金が完了すると取り消せません。不正にログインされて資産を送られてしまうと、取り戻すのは困難です。
パスワードは、次のような形で漏れます。
- ほかのサービスから流出したパスワードを、使い回していた
- 偽のサイトに入力してしまった
- パソコンやスマートフォンが、不正なソフトに感染していた
二段階認証を設定しておけば、パスワードを知られても、手元のスマートフォンがなければ先へ進めません。
二段階認証の4つの方式
| 方式 | しくみ | 特徴 |
|---|---|---|
| 認証アプリ | アプリに表示される、一定時間ごとに変わる6桁の数字を入力する | 広く使われている。電波が届かなくても使える |
| SMS | 携帯電話に届く数字を入力する | 手軽。電話番号を乗っ取られると破られるおそれがある |
| メール | メールで届く数字やリンクを使う | メールのアカウントが破られると意味がない |
| パスキー・生体認証 | 端末に保存された鍵と、指紋や顔で確かめる | 偽サイトに強い。対応する業者が増えている |
選べる場合は、認証アプリかパスキーを使うのが基本です。SMSやメールだけに頼る設定は、電話番号やメールが破られたときに一緒に突破されます。
認証アプリの設定の流れ
業者によって画面は違いますが、流れは共通です。
- スマートフォンに認証アプリを入れる
- 業者のサイトやアプリで、二段階認証の設定画面を開く
- 表示されたQRコードを、認証アプリで読み取る
- 認証アプリに表示された6桁の数字を、業者の画面に入力する
- 表示された「バックアップ用のコード」や「設定キー」を控える
5つ目が重要です。このコードは、スマートフォンをなくしたときや、機種変更のときに、認証を引き継ぐために使います。紙に書くか、印刷して、スマートフォンとは別の場所に保管してください。スマートフォンの中だけに置くと、端末をなくしたときに一緒に失います。
機種変更の前にやること
「機種変更をしたらログインできなくなった」というのは、よくある失敗です。認証アプリの中身は、端末を替えても自動では移らないことがあります。
- 古い端末が手元にあるうちに、認証アプリの引き継ぎをする
- 引き継ぎの機能がないアプリの場合は、業者のサイトで二段階認証をいったん解除し、新しい端末で設定し直す
- 古い端末を手放すのは、新しい端末でログインできることを確かめたあとにする
引き継がずに端末を手放してしまった場合は、業者に本人確認の書類を出して、解除の手続きをすることになります。完了まで日数がかかり、そのあいだは取引も出金もできません。
偽サイト(フィッシング)を見分ける

二段階認証を設定していても、偽のサイトに数字まで入力してしまえば、破られることがあります。偽サイトは、本物と見分けがつかないほど似せて作られています。
- メールやSMSのリンクから開かない:公式サイトは、自分で登録したブックマークか、公式のアプリから開きます
- アドレスを確かめる:1文字だけ違う、末尾が違う、といった偽のアドレスが使われます
- 急がせる内容を疑う:「アカウントが停止されます」「不正なログインがありました」といった件名で、すぐにログインさせようとするのが典型です
- 検索結果の広告から開かない:広告の枠に、偽のサイトが出ることがあります
正規の業者が、メールや電話で、パスワードや認証の数字を聞くことはありません。聞かれた時点で、相手は偽物です。
パスワードの3つの基本

- 使い回さない:暗号資産の口座のパスワードは、ほかのどのサービスとも違うものにします。登録に使うメールアドレスのパスワードも同じです
- 長くする:短くて複雑なものより、長いもののほうが破られにくくなります
- 覚えようとしない:パスワード管理のアプリや、ブラウザやスマートフォンの保存機能を使えば、長いパスワードをサービスごとに変えられます
メールのアカウントにも、二段階認証を設定しておきます。パスワードの再設定は、たいていメールを通じて行われます。メールを破られると、ほかのすべてが破られます。
業者の機能を使う
業者によっては、不正な出金を防ぐための機能を用意しています。あれば使っておくと安心です。
- 出金先アドレスの事前登録:登録したアドレス以外には送れないようにする
- ログインや出金の通知:操作があったときに、メールやアプリで知らせる
- 出金時の追加の認証:ログインとは別に、出金のたびに認証を求める
通知が届いたのに身に覚えがない場合は、すぐにパスワードを変え、業者に連絡してください。
よくある質問
二段階認証を設定すれば、もう心配はいりませんか
リスクは大きく下がりますが、なくなるわけではありません。偽サイトに数字を入力してしまう、端末が不正なソフトに感染する、といった経路は残ります。設定に加えて、リンクから開かない習慣が大切です。
スマートフォンをなくしたら、どうなりますか
バックアップ用のコードがあれば、新しい端末で認証を復旧できます。ない場合は、業者に本人確認の書類を出して、解除の手続きをします。なくす前に、コードを別の場所に保管しておいてください。
生体認証と二段階認証は同じものですか
少し違います。アプリを開くときの指紋や顔の認証は、端末のロックを外すためのものです。業者のサービスへのログインを守る二段階認証とは、別に設定が必要な場合があります。
まとめ
- 二段階認証は、パスワードが漏れても不正なログインや出金を防ぐしくみ。入金より先に設定する
- 選べるなら認証アプリかパスキーを使う。バックアップ用のコードは端末と別の場所に保管する
- 機種変更の前に引き継ぎをする
- 公式サイトはブックマークから開き、メールやSMSのリンクは使わない
暗号資産をめぐる詐欺の手口はSNS型投資詐欺の手口と相談先に、ほかのリスクは暗号資産の7つのリスクにまとめています。
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出典
暗号資産は法定通貨ではなく、価格の変動により損失が生じることがあります。本記事は情報の提供を目的としており、特定の暗号資産の購入や取引の勧誘を目的とするものではありません。取引の判断は、ご自身の責任で行ってください。
