レベル:入門|記載の情報は2026年10月17日時点のものです。
NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)とは、ブロックチェーン上で発行される、1つひとつが区別されるデジタルの証明書です。デジタルアート、ゲームのアイテム、会員権、イベントのチケットなどに使われています。
この記事では、次の4点を整理します。
- NFTのしくみと、暗号資産との違い
- NFTで何が証明され、何が証明されないのか
- 日本の法律と税金での扱い
- 買うときに気をつけたいこと
「代わりがきかない」トークン
ビットコインの1BTCは、だれが持っている1BTCでも同じ価値です。このように交換しても同じものを「代替性がある」と言います。
NFTは、1つひとつに固有の番号や情報が記録され、ほかのものと交換しても同じにはなりません。そのため、「このデジタルデータの、この1点」を区別して記録できます。
| 暗号資産(例:ビットコイン) | NFT | |
|---|---|---|
| 1つひとつの区別 | ない(どの1BTCも同じ) | ある(すべてが別もの) |
| 分割 | できる(0.001BTCなど) | 原則できない |
| 主な使い道 | 送金、資産として保有 | デジタル作品、会員権、ゲームのアイテムなど |
| 値段の決まり方 | 市場で一律の価格 | 1点ごとに売り手と買い手で決まる |
NFTの多くは、イーサリアムなどのブロックチェーン上で発行されます。売買の代金も、イーサリアムなどの暗号資産で支払うことが多いです。しくみはブロックチェーンのしくみで説明しています。
NFTで証明されること、されないこと
NFTが記録しているのは、「このトークンをだれが持っているか」という情報です。次の点は誤解されやすいので注意してください。
- 著作権を持つことにはならない:NFTを買っても、作品の著作権は通常、作者に残ります。何ができるかは、販売時の利用規約しだいです
- データそのものを持つとは限らない:画像などのデータはブロックチェーンの外に保存されていることが多く、保存先がなくなると表示できなくなることがあります
- 価値が保証されるわけではない:買い手がいなければ、売りたくても売れません
日本の法律での位置づけ

金融庁は2023年3月に、事務ガイドラインに注記を加えました。発行者が決済に使わない意図を明確にしていて、1点あたりの価格が高額であったり、発行数が限られていたりするなど、社会通念上「物」にとどまるNFTは、暗号資産には当たらないという考え方です。
一方で、決済手段として使えるような形で大量に発行されたものは、暗号資産に当たる場合があります。
税金の扱い
国税庁は、NFTの税務上の扱いを次のように整理しています(2023年1月の情報)。
- 自分で作ったNFTを売った場合:雑所得(事業として行っていれば事業所得)
- 買ったNFTを転売した場合:原則として譲渡所得。営利目的で継続的に売っている場合は雑所得や事業所得
- NFTの購入代金を暗号資産で支払った場合:支払った暗号資産を売ったものとして、暗号資産の利益に税金がかかることがある
最後の点は見落としやすいので注意してください。たとえば、安く買ったイーサリアムでNFTを買うと、そのイーサリアムの値上がり分が利益として計算されます。くわしくは暗号資産の税金の基本で説明しています。
買うときに気をつけたいこと

- 偽物や無断で作られたNFTがある:有名な作品をまねたNFTや、作者に無断で発行されたNFTが出回っている
- 偽のマーケットプレイスや詐欺のリンク:SNSのDMで「無料でもらえる」と誘われ、ウォレットをつなぐと資産を抜き取られる被害がある
- ガス代(手数料)がかかる:購入や送付のたびに、ネットワークの手数料がかかることがある
- 売れないリスク:買い手が見つからず、買った値段では売れないことがある
「ウォレットをつなぐだけで無料でNFTがもらえる」「シードフレーズを入力して認証してください」といった誘いは詐欺の典型です。シードフレーズはだれにも教えないでください。くわしくはウォレットとはで説明しています。
よくある質問
NFTは国内の取引所で買えますか
国内の暗号資産交換業者の中には、NFTのマーケットプレイスを運営しているところがあります(たとえばCoincheck NFT)。取り扱っているNFTや手数料は、各社のサイトで確かめてください。
NFTを持つのにウォレットは必要ですか
国内業者のマーケットプレイス内で売買するだけなら、業者のアカウントで管理できる場合があります。外部のマーケットプレイスを使う場合は、自分のウォレットが必要です。
NFTは値上がりしますか
値上がりするかどうかはわかりません。過去に高値で取引されたNFTが、その後ほとんど値がつかなくなった例も多くあります。
まとめ
- NFTは、1つひとつを区別できるブロックチェーン上のデジタル証明書
- NFTを買っても、著作権やデータそのものを持つとは限らない
- 暗号資産でNFTを買うと、支払った暗号資産の利益に税金がかかることがある
あわせて読みたい
出典
- 金融庁「『事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係)』の一部改正(案)に対するパブリックコメントの結果等について」(2023年3月24日)
- 国税庁「NFTに関する税務上の取扱いについて(情報)」
- 国税庁 タックスアンサー「No.1525-2 NFTやFTを用いた取引を行った場合の課税関係」
- Coincheck「Coincheck NFT」
暗号資産は法定通貨ではなく、価格の変動により損失が生じることがあります。本記事は情報の提供を目的としており、特定の暗号資産の購入や取引の勧誘を目的とするものではありません。取引の判断は、ご自身の責任で行ってください。
