レベル:入門|記載の情報は2026年10月17日時点のものです。
暗号資産を「取引所」で売買するときは、注文の出し方を自分で選びます。基本は2つです。値段を決めて待つ「指値(さしね)注文」と、値段を決めずにすぐ売買する「成行(なりゆき)注文」です。違いを知らずに成行で大きな注文を出すと、思ったより高く買ってしまうことがあります。
この記事では、次の4点を整理します。
- 指値注文と成行注文は何が違うのか
- 注文の判断に使う「板(いた)」の見方
- メイカーとテイカーで手数料が変わるしくみ
- 初めてのときに気をつけたいこと
なお、業者が値段を提示する「販売所」では、注文方法を選ぶ場面はほとんどありません。販売所と取引所の違いは販売所と取引所の違いで説明しています。
ひと目でわかる比較
| 指値注文 | 成行注文 | |
|---|---|---|
| 決めるもの | 買う(売る)値段と数量 | 数量だけ |
| 成立するタイミング | 指定した値段に届いたとき | すぐ(板に相手がいれば) |
| 成立する値段 | 指定した値段か、それより有利な値段 | その時点の板しだい |
| 成立しないことは | ある | ほぼない |
| 向いている場面 | 急がないとき、値段を重視するとき | すぐに売買したいとき |
注文の前に「板」を見る
取引所では、売りたい人と買いたい人の注文が一覧で表示されます。これを「板」と呼びます。
たとえば、ビットコインの板が次のようになっていたとします(数字は説明用の例です)。
| 売り注文の数量 | 値段(円) | 買い注文の数量 |
|---|---|---|
| 0.050 | 12,003,000 | |
| 0.020 | 12,001,000 | |
| 12,000,000 | 0.030 | |
| 11,998,000 | 0.100 |
いちばん安い売り注文(12,001,000円)と、いちばん高い買い注文(12,000,000円)の差を「スプレッド」と呼びます。板が厚い(注文が多い)ほど、スプレッドは小さくなりやすいです。
成行注文:すぐ成立するが、値段は選べない

成行注文は「いくらでもいいから、今すぐ買う(売る)」という注文です。上の板で0.03BTCを成行で買うと、まず12,001,000円の売り注文0.02BTCを買い、残り0.01BTCは12,003,000円で買うことになります。
このように、注文が大きいほど、より高い値段の売り注文まで買い進むことになります。画面で見た値段と実際に成立した値段の差を「スリッページ」と呼びます。取引量の少ない銘柄や、値動きが激しい時間帯は、スリッページが大きくなりがちです。
成行注文は、注文を出した瞬間の板で値段が決まります。取引量の少ない銘柄で大きな成行注文を出すと、想定より大幅に不利な値段で成立することがあります。
指値注文:値段を決めて待つ
指値注文は「この値段なら買う(売る)」と値段を決めて出す注文です。上の板で「12,000,000円で0.01BTC買う」と指値注文を出すと、あなたの注文は買い注文の列に並びます。だれかがその値段で売ってくれたときに成立します。
指値注文の利点は、成立する値段が決まっていることです。指定した値段より不利な値段で成立することはありません。
一方で、相場が指定した値段に届かなければ、いつまでも成立しません。「少し安く買おうとして待っていたら、値上がりして買えなかった」ということもあります。
メイカーとテイカー
取引所の手数料は、注文の出し方によって変わることがあります。
- メイカー:板に新しく注文を並べる側。指値注文で、すぐには成立しない値段を指定したとき
- テイカー:板に並んでいる注文を取る側。成行注文や、すぐ成立する値段の指値注文
板に注文を増やしてくれるメイカーの手数料を安く(業者によってはマイナス、つまり受け取り)設定している取引所があります。手数料は業者や銘柄によって違うため、取引する前に各社の手数料ページで確かめてください。主な取引所の手数料は国内の暗号資産取引所の比較にまとめています。
初めてのときに気をつけたいこと
- まずは少額で試す:画面の操作に慣れるまでは、失っても困らない金額で
- 数量と値段のけたを確かめる:0.01と0.1、1,200万円と120万円の入力ミスは起こりやすい
- 取引量の少ない銘柄は指値で:成行だとスリッページが大きくなりやすい
- 指値注文の有効期限を確かめる:業者によって、取り消すまで残るもの、期限があるものがある
よくある質問
初心者は指値と成行のどちらを使えばよいですか
急いでいないなら、指値注文が向いています。成立する値段が決まっているため、思わぬ高値で買う心配がありません。ただし、成立しないこともあるので、注文が成立したかどうかを確認する習慣をつけてください。
「逆指値注文」とは何ですか
「この値段より下がったら売る」「この値段より上がったら買う」というように、相場が指定した値段に達したときに注文が出るしくみです。損失を一定の範囲にとどめる目的で使われます。取り扱いの有無や条件は業者によって違います。
販売所でも指値注文はできますか
販売所は、業者が提示する値段でその場で売買するしくみのため、多くの場合は指値注文を使いません。値段を指定して売買したい場合は、取引所形式を使います。
まとめ
- 成行注文はすぐ成立するが、値段は板しだい。大きな注文や取引量の少ない銘柄では不利になりやすい
- 指値注文は値段を決めて待つ。不利な値段で成立しない代わりに、成立しないこともある
- 板に注文を並べるメイカーは、手数料が安く設定されていることがある
注文の基本を押さえたら、ビットコインの買い方で実際の手順を確認してみてください。
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出典
暗号資産は法定通貨ではなく、価格の変動により損失が生じることがあります。本記事は情報の提供を目的としており、特定の暗号資産の購入や取引の勧誘を目的とするものではありません。取引の判断は、ご自身の責任で行ってください。
