レベル:中級|記載の情報は2026年10月18日時点のものです。
値下がりしたときに売る判断は、その場になるとなかなかできません。逆指値注文は、「この値段まで下がったら売る」という判断を、あらかじめ注文として出しておく方法です。
この記事では、逆指値の仕組みと種類、国内の取引所での使える範囲、値幅の決め方、そして知っておきたい限界を説明します。
指値と逆指値の違い

| 注文 | 売りの場合の動き | 使う場面 |
|---|---|---|
| 指値注文 | 今より高い値段を指定して、その値段以上で売る | 値上がりしたら利益を確定したい |
| 逆指値注文 | 今より低い値段を指定して、そこまで下がったら売る | 値下がりしたら損失を限定したい |
指値と成行の基本は指値注文と成行注文の違いで説明しています。
逆指値の2つの型
逆指値は、指定した値段(トリガー価格)に達したときに、どんな注文を出すかで2つに分かれます。
| 型 | 発動後の注文 | 長所 | 短所 |
|---|---|---|---|
| 成行型 | 成行で売る | ほぼ確実に売れる | 急落時は、トリガー価格よりかなり低い値段で約定することがある |
| 指値型 | 指定した値段で売る | 想定より安く売られにくい | 値段が一気に下がると、約定しないまま残ることがある |
損失を限定することを優先するなら成行型、約定の値段を優先するなら指値型、というのが基本的な使い分けです。
特殊注文
業者によっては、逆指値を組み合わせた注文も使えます。
- OCO:指値(利益確定)と逆指値(損切り)を同時に出し、どちらかが約定したらもう一方を取り消す
- IFD:最初の注文が約定したら、次の注文(たとえば逆指値の売り)を自動で出す
- IFDOCO:IFDとOCOを組み合わせ、買いが約定したら、利益確定と損切りの両方を出す
- トレーリングストップ:値上がりに合わせて、逆指値の値段を自動で引き上げる。上昇についていきつつ、下がり始めたら売る
国内の取引所での対応状況
| 業者 | 現物の取引所で使える主な注文(公式情報で確認できた範囲) |
|---|---|
| コインチェック | Web版の取引所で、逆指値(成行型・指値型)。OCO注文はできない |
| bitbank | 逆指値(指値型)と逆指値成行。アプリ・Web・APIで利用できる |
| bitFlyer | bitFlyer Lightningの特殊注文として、IFD・OCO・IFDOCO・ストップ・ストップリミット・トレール |
| GMOコイン | 公式サポートで成行・指値・逆指値の注文方法を案内。現物で使える注文の種類は取引画面で確認を |
| SBI VCトレード | 公式資料によって記載が異なるため、取引画面で確認を |
※2026年10月18日時点で各社の公式情報から確認した内容です。対応する銘柄や画面(アプリ・Web)は業者によって異なります。
各社の特徴は国内の暗号資産取引所を比べるで比較しています。
値幅は銘柄の値動きに合わせる
逆指値で最も迷うのが、「何%下で設定するか」です。ポイントは、すべての銘柄に同じ幅を当てはめないことです。
- 値動きの小さい資産で「5%下」は妥当でも、1日に10%以上動くことがある暗号資産では、ふつうの上下で発動してしまう
- 時価総額の小さい銘柄ほど値動きが大きく、狭い幅ではすぐに売られてしまう
- 幅を広げすぎると、発動したときの損失が大きくなる
決め方の例
- 過去数週間〜数か月の、その銘柄のふだんの上下の幅を確かめる
- ふだんの上下では発動しない幅を考える
- その幅で発動したときの損失額が、許容できる範囲かを確かめる
- 許容できない場合は、幅を狭めるのではなく、持つ量を減らす
4番目が大切です。損失を抑える方法は、逆指値の幅を狭めることだけではありません。持つ量そのものを調整することで、適切な幅を保ったまま、損失額を許容範囲に収められます。量の決め方は暗号資産は資産の何%まで?で説明しています。
逆指値の限界

逆指値は便利ですが、損失を必ず限定できるわけではありません。
- 急落時の滑り:成行型では、値段が一気に下がると、トリガー価格よりかなり低い値段で約定する
- 約定しないリスク:指値型では、値段が飛ぶと約定しないまま値下がりが続くことがある
- 値幅制限・取引の停止:コインチェックのWeb版の取引所には、価格の急変時に一定の範囲外の注文を自動で取り消す仕組み(プライスリミット)がある。業者のメンテナンスや障害の間は、注文が執行されない
- 一時的な急落で売られる:短時間だけ大きく下がってすぐ戻る動きでも、逆指値は発動する
逆指値は、損失を「限定しやすくする」注文であり、「保証する」ものではありません。レバレッジ取引では、急変時に証拠金を上回る損失が出ることがあります。各社の注文の仕様と注意事項は、利用前に公式サイトで確認してください。
よくある質問
逆指値は販売所でも使えますか
業者によって異なります。販売所での注文方法は各社の公式サイトで確認してください。一般に、特殊注文が充実しているのは取引所(板取引)です。
つみたてで買っている場合も逆指値は必要ですか
長く持つことを前提にしたつみたてでは、短期の値下がりで売る逆指値は、目的と合わない場合があります。自分の出口の考え方に合わせて判断してください。考え方は利益確定と出口のルールをご覧ください。
逆指値で売ったら税金はかかりますか
逆指値で売った場合も、通常の売却と同じです。利益が出ていれば課税の対象になり、損失はほかの所得と相殺できません。
まとめ
- 逆指値は「この値段まで下がったら売る」を自動で実行する注文。成行型は確実さ、指値型は値段を優先する
- 値幅は銘柄の値動きに合わせ、許容できない損失は幅ではなく持つ量で調整する
- 急落時の滑り、約定しないリスク、取引停止など、損失を保証するものではない
出典
- Coincheck「逆指値注文とは」
- Coincheck「プライスリミットについて」
- bitbank「逆指値注文の提供開始のお知らせ」(2021年9月)
- bitFlyer Lightning「特殊注文」
- bitFlyer「特殊注文の有効期限について」
- GMOコイン サポート「注文の種類」
- SBI VCトレード「最良執行方針」
暗号資産は法定通貨ではなく、価格の変動により損失が生じることがあります。本記事は情報の提供を目的としており、特定の暗号資産の購入や取引の勧誘を目的とするものではありません。取引の判断は、ご自身の責任で行ってください。
