レベル:中級|記載の情報は2026年10月18日時点のものです。
暗号資産を長く持つなら、「どれくらい下がることがあるのか」を知っておくことが欠かせません。下落の深さと長さを知らずに始めると、実際に値下がりしたときに慌てて売ってしまいがちです。
この記事では、ビットコインの過去の主な下落局面を数字で振り返ります。過去の動きは、将来の値動きを示すものではありません。ここで見るのは「どれくらいの下落が実際に起きたか」という事実です。
用語:ドローダウン
高値から安値までの下落の幅を「ドローダウン」と呼びます。たとえば100万円の高値から20万円まで下がれば、ドローダウンは80%です。
注意したいのは、下落からの回復には、下落率以上の上昇が必要なことです。
| 下落率 | 元に戻るために必要な上昇率 |
|---|---|
| 20% | 25% |
| 50% | 100%(2倍) |
| 80% | 400%(5倍) |
| 90% | 900%(10倍) |
ビットコインの主な下落局面

| 局面 | 高値 | 安値 | 下落率 | 高値から安値まで | 前の高値を超えた時期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2011年 | 約29ドル(6月) | 約2.1ドル(11月) | 約93% | 約5か月 | 2013年 |
| 2013〜2015年 | 約1,135ドル(2013年12月) | 約175ドル(2015年1月) | 約85% | 約1年1か月 | 2017年3月 |
| 2017〜2018年 | 約1万9,600ドル(2017年12月) | 約3,200ドル(2018年12月) | 約84% | 約1年 | 2020年12月 |
| 2021〜2022年 | 約6万8,900ドル(2021年11月) | 約1万5,500ドル(2022年11月) | 約78% | 約1年 | 2024年3月 |
※高値・安値は取引所や集計の基準によって多少異なります。
ここから読み取れることは、次の3つです。
- 80%前後の下落が、少なくとも3回起きている
- 高値から安値までは、およそ1年かかることが多かった
- 前の高値を取り戻すまでに、安値からさらに1年あまり〜2年あまりかかった
2021年11月の高値を超えたのは2024年3月で、高値から数えると846日かかっています。この間ずっと持ち続けるには、相当の忍耐が必要だったことが分かります。
2024年以降の動き
その後も、大きな下落は続いています。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2024年3月〜8月 | 約7万3,800ドルから5万ドル割れまで、約3割下落 |
| 2025年1月〜4月 | 10万9,000ドル超から約7万4,600ドルまで、約3割下落 |
| 2025年10月 | 約12万6,000ドルで最高値を更新 |
| 2026年2月 | 約6万ドルまで下落。最高値から5割超の下落 |
2026年10月中旬時点の価格は8万ドル台前半で、最高値を3割以上下回っています。2025年10月10〜11日には、24時間で約190億ドルという過去最大規模のポジションの強制決済(清算)が起き、値下がりが加速しました。
イーサリアムの下落
イーサリアムは、ビットコインより下落が深くなる傾向があります。
| 局面 | 下落率 | 前の高値を超えた時期 |
|---|---|---|
| 2018年 | 約94%(1月の約1,420ドルから12月の約80ドルへ) | 2021年1月 |
| 2021〜2022年 | 約80%(2021年11月の約4,880ドルから2022年6月の約975ドルへ) | 2025年8月 |
2021年の高値を超えるまでに、安値から3年以上かかっています。2026年10月中旬時点では、2025年8月の最高値を5割前後下回っています。
値動きの大きさを示すデータ

- 米Fidelity Digital Assetsの分析では、2020〜2024年のビットコインの値動きは、株価指数の3倍から4倍近い大きさでした。ビットコインの歴史の中で、年間の値動きの大きさ(実現ボラティリティ)が50%を下回った期間は、全体の約5%しかないとしています。
- 月末の終値で見ると、2017年1月から2026年9月までの117か月のうち、約3割にあたる34か月で、1か月に20%以上上昇または下落しています(ChartRowのデータをもとに当サイトで集計)。2022年以降は、その頻度が下がっています。
過去に回復したからといって、今後も同じように回復するとは限りません。高値を取り戻せないまま取扱いが終わったり、価値がなくなったりした暗号資産も数多くあります。
数字をどう使うか
過去の下落を知っておくと、次の判断に使えます。
- 金額の上限を決める:80%下がっても耐えられる金額か。計算方法は暗号資産は資産の何%まで?
- 時間の前提を持つ:回復に数年かかる可能性を前提に、使う予定のあるお金を入れない
- 買い方を分ける:一度に買わず、時期を分けて買う。考え方は暗号資産のつみたてとは
- 下がったときの行動を先に決める:下落局面で慌てないための考え方は高値で買って安値で売ってしまう理由
よくある質問
大きく下がったときは買いどきですか
下がった後にさらに下がることもあり、どこが底かは事後にしか分かりません。下落局面で買う場合も、一度に買わず、金額の上限を守ることが大切です。
半減期の後は上がると聞きました
過去の半減期の後に価格が上昇した時期はありますが、ほかの要因も重なっており、半減期だけで説明することはできません。くわしくはビットコインの半減期とはで説明しています。
円建てで見ると下落率は変わりますか
円とドルの為替が動くため、円建ての下落率はドル建てと少し異なります。日本円で買う場合は、為替の動きも値動きに含まれることを覚えておいてください。
まとめ
- ビットコインは、高値から約78〜93%下落した局面が過去に4回あった。下落は約1年続き、回復にはさらに年単位の時間がかかった
- 2025年10月の最高値の後も、2026年2月までに5割を超える下落が起きている
- 過去の数字は、将来を示すものではない。金額の上限と時間の前提を決めるために使う
あわせて読みたい
出典
- Nasdaq「Bitcoin Bear Markets: What, Why, When」
- Cointelegraph「Bitcoin reaches new US dollar high 846 days later」(2024年3月)
- Al Jazeera「Bitcoin smashes above $20,000 for first time」(2020年12月16日)
- The Defiant「Bitcoin hits $74,637 low amid tariffs」(2025年4月)
- CoinGecko「Bitcoin」(価格と最高値)
- Bloomberg「Bitcoin Drops Below $70,000 as Forced Deleveraging Accelerates」(2026年2月5日)
- CoinDesk「Ether Price Now Down 94% From January’s Record High」(2018年12月)
- The Block「Ethereum hits new all-time high」(2025年8月)
- Fidelity Digital Assets「A Closer Look at Bitcoin’s Volatility」(2024年5月)
- ChartRow「Bitcoin Monthly Returns」
暗号資産は法定通貨ではなく、価格の変動により損失が生じることがあります。本記事は情報の提供を目的としており、特定の暗号資産の購入や取引の勧誘を目的とするものではありません。取引の判断は、ご自身の責任で行ってください。
