レベル:入門|記載の情報は2026年10月17日時点のものです。
暗号資産は、相手の「アドレス」を指定すれば、銀行を通さずに送れます。便利な反面、送金は取り消せません。アドレスやネットワークを間違えると、資産を取り戻せないことがほとんどです。
この記事では、次の4点を説明します。
- 送金の基本的な流れ
- 送る前に確かめる3つのこと(アドレス、ネットワーク、宛先タグ)
- トラベルルールで入力が必要な情報
- 日本円の出金との違い
送る必要がなければ、無理に送金する必要はありません。国内の登録業者に預けたままでも売買はできます。自分で管理する場合の考え方はウォレットとはで説明しています。
送金の基本的な流れ

- 受け取る側(別の取引所やウォレット)で、受け取り用のアドレスを表示する
- 送る側の取引所で「送金」(「送付」「出庫」と呼ぶ業者もある)を開く
- 送る銘柄、アドレス、ネットワーク、数量を入力する
- 受取人の情報など、トラベルルールで求められる項目を入力する
- 二段階認証などで本人確認をして、送金を確定する
- 受け取る側に反映されたことを確かめる
初めての送り先には、まず少額を送り、届いたことを確かめてから残りを送るのが基本です。送金手数料が2回かかりますが、間違えたときの損失に比べればわずかです。
送る前に確かめる3つのこと

1. アドレスは「コピー&貼り付け」で、最初と最後を目で確かめる
アドレスは英数字の長い文字列です。手入力は避け、コピーして貼り付けます。貼り付けたあと、最初の数文字と最後の数文字が、受け取る側の画面と一致しているか確かめてください。コピーした内容を書き換えるウイルスも報告されています。
2. ネットワーク(チェーン)を受け取る側と合わせる
同じ銘柄でも、複数のネットワークで送れる場合があります。たとえばイーサリアム(ETH)には、イーサリアム本体のほか、ArbitrumやOptimismなどのネットワークがあります。送る側と受け取る側でネットワークが違うと、資産が反映されず、戻ってこないことがあります。受け取る側がどのネットワークに対応しているかを、必ず先に確かめてください。
3. 宛先タグ(メモ)が必要な銘柄では、忘れずに入力する
XRPの「宛先タグ(デスティネーションタグ)」や、XLMの「メモ」は、取引所が多くの利用者の入金を1つのアドレスで受け取るときに、だれの入金かを見分けるための番号です。入力を忘れたり間違えたりすると、入金が反映されないことがあります。
暗号資産の送金は、一度実行すると取り消せません。アドレス、ネットワーク、宛先タグのどれか1つでも間違えると、資産を取り戻せないことがほとんどです。不安なときは送金を急がず、少額で試してください。
トラベルルールで入力が必要な情報
日本では2023年6月1日から「トラベルルール」が始まりました。業者を通じて暗号資産を送るとき、送り手と受け手の情報を業者どうしで通知するしくみです。マネー・ローンダリングを防ぐためのものです。
送金の画面では、次のような項目の入力を求められます(業者によって異なります)。
- 受取人が自分自身か、他人か
- 受取人の氏名
- 受け取る側の業者名(またはウォレット)
- 送金の目的
受け取る側の業者が、トラベルルールで情報をやりとりできる相手でないと、送金できない場合があります。送り先が対応しているかどうかは、送る側の業者のサイトで確かめられます。
新しい送り先には制限がかかることがある
詐欺被害を防ぐため、多くの業者が送金に制限を設けています。たとえば次のようなものです。
- 新しく登録した送り先アドレスには、登録後しばらく送金できない
- 日本円を入金した直後は、一定期間、暗号資産を送金できない
- 一定の条件の送金で、マイナンバーカードによる追加の本人確認を求める
「今すぐ送金しないと損をする」と急がせる相手は、詐欺を疑ってください。手口はSNS型投資詐欺の手口と相談先で説明しています。
送金手数料は業者で大きく違う
ビットコインを1回送るときの手数料は、無料の業者から、0.0004BTCや0.0006BTC、混雑状況で変わる業者までさまざまです。こまめに送金する人は、送金手数料も業者を選ぶ基準になります。主な業者の手数料は国内の暗号資産取引所の比較にまとめています。
日本円の出金との違い
暗号資産を日本円に換えて銀行口座に戻す場合は、まず取引所で暗号資産を売り、その日本円を「出金」します。
| 暗号資産の送金 | 日本円の出金 | |
|---|---|---|
| 送り先 | 別の取引所やウォレットのアドレス | 本人名義の銀行口座 |
| 取り消し | できない | 口座の誤りは返金されることが多い(手数料は戻らない) |
| 手数料 | 銘柄・業者による | 無料〜770円程度(業者による) |
| 税金 | 送るだけなら課税されない | 売った時点で利益が出ていれば課税対象 |
暗号資産を売って利益が出た場合は、確定申告が必要になることがあります。くわしくは暗号資産の確定申告のやり方で説明しています。
よくある質問
送金にはどれくらい時間がかかりますか
銘柄やネットワークの混雑状況、業者の確認作業によって変わります。数分で届くこともあれば、数時間以上かかることもあります。業者によっては、送金の受付時間が決まっています。
間違ったアドレスに送ってしまったら、どうすればいいですか
まずは送った業者と、送り先の業者に問い合わせてください。ただし、存在しないアドレスや、他人が管理するアドレスに送った場合、取り戻せないことがほとんどです。「取り戻します」と持ちかける業者や個人は、二次被害の詐欺であることが多いので注意してください。
同じ取引所の利用者どうしで送ると安くなりますか
業者によっては、同じ業者の利用者どうしの送金手数料を無料にしています。
まとめ
- 送金は取り消せない。初めての送り先には少額で試す
- アドレスはコピー&貼り付け、ネットワークは受け取る側に合わせ、宛先タグを忘れない
- トラベルルールにより、受取人の情報などの入力が必要
出典
- 金融庁「犯罪収益移転防止法の改正(トラベルルール)について」
- bitFlyer「ビットコインを送付する」
- XRP Ledger「Source and Destination Tags」
- SBI VCトレード「トラベルルールについて」
暗号資産は法定通貨ではなく、価格の変動により損失が生じることがあります。本記事は情報の提供を目的としており、特定の暗号資産の購入や取引の勧誘を目的とするものではありません。取引の判断は、ご自身の責任で行ってください。
