レベル:入門|記載の情報は2026年10月17日時点のものです。
貸暗号資産(レンディング)とは、保有している暗号資産を業者に一定期間貸し出し、その見返りに利用料を受け取るサービスです。「預けて増やす」と紹介されることがありますが、銀行の預金とはまったく違うしくみで、大きなリスクがあります。
この記事では、次の4点を整理します。
- 貸暗号資産のしくみ
- 国内業者の条件の例
- 知っておきたいリスク
- 税金の扱い
しくみ:預けるのではなく「貸す」

貸暗号資産は、法律上は業者との「消費貸借契約」です。利用者は暗号資産を業者に貸し、期間が終わると、同じ種類・同じ数量の暗号資産と利用料を返してもらいます。
貸している間、その暗号資産は業者のものとして扱われます。業者は借りた暗号資産を運用などに使うことができます。
国内業者の条件の例
| 業者 | 利用料の年率 | 期間・条件 |
|---|---|---|
| コインチェック | 最大年率5.0% | 期間中は売却も送金もできない |
| bitbank | 年率0.1〜5.0%(募集ごと) | 期間は約1年。途中解約は原則できない |
| bitFlyer | 年2.05%〜2.20%(ビットコイン) | 最大91日。抽選制 |
| SBI VCトレード | コースごとに設定 | 7日〜168日など。中途解約はできない |
2026年10月時点で各社の公式サイトに掲載されている内容です。年率は募集の時期によって変わります。
知っておきたいリスク

1. 業者が破綻すると返ってこないおそれがある
国内の登録業者は、利用者から預かった暗号資産を自社の資産と分けて管理する義務があります(分別管理)。しかし、貸し出した暗号資産は分別管理の対象外です。業者が破綻した場合、貸した暗号資産の全部または一部が返ってこないおそれがあります。担保もなく、ほかの債権者より優先して返してもらえる権利もありません。
2. 期間中は売れない
多くのサービスでは、貸している間は売却も送金もできません。期間中に価格が大きく下がっても、手放すことができません。途中解約ができても、解約手数料がかかることがあります。
3. 利用料より値下がりのほうが大きいことがある
年率5%の利用料を受け取っても、価格が30%下がれば、円で見た資産は減ります。利用料は「値下がりを補うもの」ではありません。
貸暗号資産は、銀行預金のような元本保証も預金保険もありません。「年利◯%で確実に増える」という説明は誤解を招くものです。国内の登録業者以外が提供する高利回りのサービスは、特に注意してください。
取引所が破綻したときに資産がどう扱われるかは、取引所が破綻・流出したら資産はどうなる?で詳しく説明しています。
制度の変化
2026年に成立した法改正では、利用者から暗号資産を借り入れる業務も、新しい「暗号資産取引業」の規制の対象になります。施行は2027年7月までの予定です。くわしくは2026年の暗号資産の制度改正まとめで説明しています。
税金の扱い
国税庁のFAQでは、貸暗号資産で受け取った利用料は、受け取った時点の時価で所得として計上するとされています。給与所得者の場合、原則として雑所得です。計算の方法は暗号資産の確定申告のやり方で説明しています。
よくある質問
貸暗号資産とステーキングはどちらが安全ですか
一概には言えませんが、国内取引所の「保有しているだけで対象になる」ステーキングは、いつでも売れて、分別管理の対象のままであることが多い点で、貸暗号資産とは性質が違います。違いはステーキングとはで説明しています。
少額でも貸し出せますか
業者やサービスごとに最低数量が決まっています。条件は各社の公式サイトで確かめてください。
貸している間に価格が上がったらどうなりますか
返ってくる暗号資産の数量は同じなので、価格が上がれば、円で見た資産は増えます。ただし、期間中に売って利益を確定することはできません。
まとめ
- 貸暗号資産は、業者に暗号資産を「貸す」契約で、預金ではない
- 貸した暗号資産は分別管理の対象外。業者が破綻すると返ってこないおそれがある
- 期間中は売れず、利用料より値下がりが大きいこともある
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出典
- SBI VCトレード「貸暗号資産取引等に関するご説明(旧VCTRADE)」
- 一般社団法人日本暗号資産等取引業協会「利用者財産の管理に関する規則」
- 国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」
- Coincheck「貸暗号資産サービス」
- bitbank「貸して増やす 取引ルール」
- bitFlyer「定期貸しコイン」
暗号資産は法定通貨ではなく、価格の変動により損失が生じることがあります。本記事は情報の提供を目的としており、特定の暗号資産の購入や取引の勧誘を目的とするものではありません。取引の判断は、ご自身の責任で行ってください。
